夏はすっかり次の国に行ってしまって、他の国からやって来た秋が居心地良さそうに森の上にあぐらをかいていました。
♂のゴリラと♀のブタちゃんのお付き合いも、恋人達の難敵『夏』を乗り越えて半年になろうとしていました。
二人には誕生日がなかったから
「ねえ、誕生日2人で決めようか?」
「ゴリ!!」
「いつがいい?」
「自分はいつでもいいです!」
「ゴリさんいつもそんな感じ~(^.^)」
「すいません!!」
「あたしは秋がいいかなぁ~。ゴリさんは?あっいつでも良かったんだね(^.^)」
「ただ、」
「ただ?」
「許されるならば、ゴリはブタちゃんと、あのー、おかしいかも知れませんが、、、、ブタちゃんと同じ日に誕生日がいいゴリ!!」
(^.^)「うん。そうしよう!!」
「ウホッ!ありがとうございやーす(^○^)じゃあ秋にしましょう!!!秋が僕たち2人の誕生日にしましょう!!(^○^)!!」
(^.^)「待って待って!」
「どうしました!?」
「ゴリさんオオザッパ過ぎ~(^.^)ブブブブブ~」
「では、夏が終わって秋になって始めの満月の日を毎年二人の誕生日にしませんか?」
(^.^)??
「嫌ですか?」
「最高(^.^)珍しくゴリさんがロマンチックなこというからビックリしちゃった!」
「あっ、すいません!ヒラメいてしまって!」
「ブブブブブ~(^.^)抱いて。」
「イエス!!!!」
「ゴリさんゴイス~!!!」
「誕生日が出来た今日が第2の誕生日であります~!!!!」
腰を振りながら♂ゴリラは何度も何度も夜の森で叫びました。
そんなゴリラをみて♀ブタは幸せの言葉の意味がうっすらと見えたような気がしました。
真夏の夜のことでした。
(-.-)Zzz・・・・
明日は秋になって始めての満月。そう二人の1歳の誕生日です。夕方からゴリラは友達に会ってくると、始めてメスブタちゃんに嘘をついてショピングに向かいました。
もちろんブタちゃんへの誕生日プレゼントを買うためです。
雄のローランドゴリラは今まで使わずにとっておいた15枚の貝殻を握り締めて店に行きました。
「いらっしゃいませ。」
気取ったキツネがイヤらしい笑顔で声をかけてきました。
「いらっしゃいました!」
始めての買い物のゴリラはそう答えると店内の商品を丁寧にじっくり見始めました。
「ウホッ!!」
「気に入りました?」
「ゴリ(^○^)」
「彼女へのプレゼントですか?」
「ゴリ(*^^*)」
「きっと彼女さんも喜ばれると思いますよ。イヒヒヒ」
「これはなんて云うんですか?」
「ネックレスのことですか?」
「ネックレス、、、この白い石は?」
「真珠と申します。(なんにも知らねえなこのゴリラは!!)」
「下さい!!」
「かしこまりました!イヒヒヒ~こちら男性用女性用セットのみの販売になっております。」
「はい!下さい!!」
「かしこまりましたm(__)m貝殻200枚になります。」
「200枚?15枚しか持ってないのですが自分!!」
「ナメテルのか!?15枚??そんなハシタ貝殻で買えるものはねぇんだよ(>_<)死ねバカゴリラ!!陰気くせぇからとっとと出ていきやがれ!!コン!!こん!!こん!(゜o゜)コン!!!!!!!!!!!」
「すいません!」
転がる様に店から飛び出した雄ゴリラを出迎えたのは冷たい冷たい秋の雨でした。
「あの真珠、ブタちゃんつけたら似合っただろうなぁ(;_;)」
月の明かりも届きません。
その夜、ゴリラ君はドングリを拾いネックレスを作りました。そして、徹夜で木彫のハートを作りドングリのネックレスにつけました。
ハートはイビツナ形になりスペードに近い形になってしまいました。
雨はやみ、涼しげな朝日がうっすらと完成の祝福に出てきました。
「朝ですか。貝殻もない。無器用なゴリラ。なにが誕生日だよ(;_;)」
みつめられてる手作りネックレスだけに聞こえるほどの小さな小さな声でした。
「よし!!」
ゴリラは立ち上がると雌ブタちゃんのもとへ急ぎました。
「誕生日(>_<)おめでとうございます!!!!!!」
「ありがとう(^.^)誕生日おめでとう!!!!」
「ありがとうございます!!!!!!!!!!!!」
「始めて言われちゃった
(^.^)」
「自分もです(^○^)」
キス(^з^)-☆
二人は1日中キチガイみたいに遊びまくりました。お互いに
「おめでとう!」
を何百回も言い合いました。他の動物たちからみたら楽しそうに映っていたでしょう。
しかし、♂ゴリラだけはネックレスを隠し持ちながら小さなトゲが刺さり続けているような感覚でした。
夜になり寝床に戻った二人。メスブタちゃんがいきなり地面を掘り出しました。
「目つぶってて(;´д`)」
ゴリラが言われた通りにして待っていると、何かが首に巻かれました。
「ウホッ?」
「目開けていいよ!」
目を開けるとゴリラの首には真珠のネックレスが巻かれていました。
「お誕生日おめでとう!!!!!!(^○^)!!!!!あたしからのササイなプレゼント!!」
「ありがとうございます!!!!!!!!!!!!」
ゴリラの意思とは無関係に涙がこぼれ始めて止まりません。
(^.^)「ゴリさんすぐ泣く~ブブブブブ~」
「すいません。すいません。すいません(T-T)」
「でもそんなに喜んでくれて良かった(^.^)」
「ありがとうございます!ありがとうございます!ありがとうございます(ToT)」
「実はこれセットだからあたしのもあるんだ。」
ブタちゃんは自分の分の真珠のネックレスを取り出し首に巻き始めた。
ブタちゃんの視線が外れた瞬間にゴリラは隠し持っていたネックレスを湖に投げ捨てた。
ポチャン!
「ん?魚かしら?」
「はい(ToT)」
「お揃いだね(^.^)似合う?」
「はい!似合います!綺麗です(ToT)可愛いです!凄く似合います!すいません!ありがとうございます!似合います(ToT)」
(^.^)ブブブブブ~
ゴリラはいつまでも泣いていてはいけないと思い、上を見ました。
まんまる月夜でした。
その月が、あまりにも丸くて、あまりにも大きくて、あまりにも綺麗だったから尚更涙が止まらなくなってしまいました。
「昨日は帰ってこないから心配しちゃった。」
「すいません(ToT)」
上を向いたままゴリラは叫んだ。
「自分プレゼント用意していません(ToT)」
「気にしないで~あたしが勝手にやったことだから。寝よう(^.^)」
(ToT)「ゴリ!!」
その夜、朝方までゴリラは静かに泣いていました。
誕生日の夜なのに交尾はしませんでした。
ゴリラが泣き疲れて寝てしまっても、ブタちゃんはなんだか眠ることが出来ませんでした。
すると、湖からカエルが歩いて来てブタちゃんに何か言いました。
(-.-)Zzz・・・・
ゴリラが起きたのは昼過ぎでした。ブタちゃんのクシャミで起きました。
「風邪ですか?」
「秋ね(^.^)涼しくなってきたわねクション(>_<)」
ゴリラ君は目が腫れているので背中を向けたまま話していました。
「おはようございます。」
「おはよう(^.^)クション!!」
「大丈夫ですか?」
「うん。それにしても昨日の誕生日は最高にクション(>_<)、幸せだったわ。」
「、、、、はい!!」
雄ゴリラは首のネックレスを冷たく感じていました。プレゼントを貰ったのに悲しんでいる自分が、素直に笑えない自分が、ゴリラは嫌で死んでしまいたい気持ちでした。
「ゴリさん、ありがとうね!!」
「自分は何もしていません。」
「大事にするね。ドングリのネックレス(^.^)」
「ウホッ!?」
ゴリラ君がブタちゃんを見ると、捨てたはずの手作りネックレスを首に巻いていました。
「どうしてですか?」
「湖で遊んでたら見付けたの(^.^)これ、ゴリさんが作ったんでしょ?下手だからすぐわかるわ~ブブブブブ~(^.^)クション(>_<)」
湖の深さを考えゴリラちゃんはいたたまれない気持ちになりました。
カエルは
「なんか落とした?沈んじゃったケロよ。」
それだけ教えに来てくれたのでした。
「世界で一番綺麗なネックレスをありがとう(^.^)」
「ウォォォ~~~~~~~~~(ToT)」
ゴリラちゃんは何度も何度も胸を叩きました。
その日、森では皆が二人をバカにして笑っていました。
木彫のスペードのネックレスをしたブタと真珠のネックレスをしたゴリラがニコニコしながら手をつないで歩いていたと。
「ねえゴリさん。」
「なんですか?」
「この木彫の部分(^.^)ハートでしょ?」
「さあ!?どうでしょうかね~(^○^)!!!!」
「絶対ハートだわ(^.^)」
「死ねまで、いや、死んでもあなたを守ります!!」
「なにそれ?(^.^)信じてあげるから、あたしが死ぬまで騙してね。」
ゴリラは真珠のネックレスを皆に見せびらかしました。だってこの真珠の光にもう陰は無く、純度100%の喜びで出来た真珠なのだから。
「あっ!そういえば、ブタちゃんの真珠のネックレスはどうしたんですか!?」
「私の真珠のネックレス?変なの。そんなもの初めから無いわよ(^.^)」
「ウホッ!?」
(^.^)ブブブブブ~
「今日は何して遊ぼうか~」
その日から何故か真珠のネックレスを巻いたカエルが泳いでいるのを湖で見掛けるようになりました。
素敵な秋になりますように。
続く(-。-)y-~